関西3地域グループ合同例会「これからの学習支援:対面とオンライン、図書館員が知っておきたいこと」開催報告

 2月27日に大学図書館研究会関西3地域グループ合同例会「これからの学習支援:対面とオンライン、図書館員が知っておきたいこと」をオンラインミーティング形式で開催しました。

 

①事例報告:廣田 桂 氏(熊本大学附属図書館)

(内容:熊本大学附属図書館における学習支援)

②講演・ワークショップ:大山 牧子 助教大阪大学全学教育推進機構)

「動画教材を活用した学習支援のデザイン」

 

 関西3地域グループ合同例会は毎年京都・大阪・兵庫の3地域グループが共同で開催している行事です。今回の合同例会には3地域グループの会員の他にも、他の地域グループなどにご所属の大図研会員の方、学習支援にご関心をお持ちの非会員の方など、講師のお二人を含め31名にご参加いただきました。

 

 最初に廣田氏から、熊本大学附属図書館での学習支援の現状について、最近の動向や今後の課題も含めてご紹介いただきました。オンライン講習会やTAによる学習相談などの様々な学習支援の取り組みについて、企画・準備から広報・事後の振り返りの段階まで、学習支援業務の現場での様子を幅広く提示していただきました。

 

 次に大山氏による講演とワークショップが行われました。大山氏のご講演では、ご専門である教育工学の視点に基づいて、学習理論や大阪大学での学習支援の実践についてお話いただきました。ワークショップではZoomのブレイクアウトルーム機能も活用し、4名程度のグループに分かれて、動画教材やグループ学習の長所や課題について参加者同士で議論したり、反転学習の実践案を作成し意見交換を行ったりしました。

 授業形式も対面、オンデマンド配信、ライブ配信など多様化する中で、グループ学習や反転学習といった方法を取り入れるなど、大学教育の変容が進んでいる状況の全体像を知ることのできる内容でした。

 またオンライン授業時の実践的・具体的な工夫などについても知ることもできました。例えば受講者はオンライン上では1度耳にした音声だけでは課題などの内容を把握・記憶しづらいので文字の情報でも改めて提示する、といった点が紹介された後で、大山氏も実際に休憩時間が始まる際に再開時間をチャットに書き込むなどワークショップの運営においても工夫が実地に活用されており、受講者として大山氏の実践に接することができたという点でもとても参考になったと思います。

 

 関西3地域グループ合同例会も感染症を受けて2020年からはオンライン開催が続いており、今回がオンライン形式での3回目の開催でした。大学でもオンライン形式の比重が増し学びの場が多様化する中で、大学図書館員が学習支援に取り組む際のヒントを得る機会となりました。