3月例会報告

3月14日に,クレオ大阪北部館にて3月例会を行いました。国立大学図書館協会の海外派遣事業で,北米のシェアード・プリントプロジェクトWEST(Western Regional Storage Trust)とユタ大学その他の自動書庫を調査してこられた森石みどりさんからご発表いただきました。
国立大学図書館協会の海外派遣は毎年募集されており,応募資格は,国立大学図書館協会の会員館に所属する常勤職員(管理職以外)で,45歳以下,大学図書館職員短期研修または長期研修を受講済みであることです。短期の派遣はグループでの応募も可能です。
森石さんは,学修環境の充実(=アクティブ・ラーニングのための空間創出)と,冊子体の効率的な管理(自動書庫,シェアード・プリント)をテーマに,アメリカのシェアード・プリントについてのプロジェクトと,自動書庫を持つ機関を訪問見学されたそうです。
シェアード・プリントのコンソーシアムであるWESTではコンテンツの保存状態によってアーカイブタイプを分けており,電子ジャーナルのない冊子のみのタイトルは高レベルの状態で保存するなど工夫しているとのことです。
また,自動書庫については,管理運用のコストもかかるので「利用されるものを入れる」という考えの大学もあった一方,「基本EJのある製本雑誌,利用の少ない=10年間貸出のない図書を入れている」という大学もあり,担当者や館の方針で様々なパターンがあるようです。

発表の後は質疑やディスカッションが行われました。
アメリカでは政府情報の電子的公開をデフォルトにした結果,現在既にみられなくなっているものも多く,紙への回帰が起こっている,というような話題提供もありました。
保存を最終的にどこで行うか,状態維持をどのように行うか,学習やコモンスペースの創出との兼ね合いなどの話題が出ました。

発表スライド:http://www.slideshare.net/dtkOsaka/20150314-moriishi
当日のtogetter:http://togetter.com/li/795071
「平成26年度国立大学図書館協会海外派遣事業参加報告書」

平成26年度のその他の海外派遣事業に行かれた方の一覧
皆さん,ダイトケンのワークショップや例会で調査報告をされていますね☆