10月例会報告
「学術情報ウェブサービス担当者研修 ファシリテーター報告」
日時: 2013年10月12日(土) 15:00-17:00
場所: キャンパスポート大阪 ルームF
参加者: 8名(講師含む)
NII主催の平成25年度学術情報ウェブサービス担当者研修(以下、ウェブ研)九州会場においてファシリテーターを務められた小村さん(神戸大学)にお話しいただきました。
お話の内容は主に
ウェブ研は毎年開催され、今年で3年目。
H22(2010)年度までは「学術ポータル担当者研修」という名称のもと、機関リポジトリの構築・運営に関する内容が中心だったものが現在のカリキュラムに変更となったそうです。
カリキュラムの詳細:
http://www.nii.ac.jp/hrd/ja/portal/h25/curritxt.html
この研修、到達目標は
講義を受けてウェブサービスの知識を得ることもさることながら、研修の半分以上を占めるグループ討議と企画提案プレゼンテーションをつうじて企画立案する力を培うことも目指す、というカリキュラムとなっています。とりわけ、
「一度提出した企画書に対して、却下理由書を受け取った。これから企画を練り直して再提案」
という設定でスタートするグループワークでの討論と、その結果作られた企画の採否を参加者全員で判定する最終提案プレゼン・質疑応答は、実戦と同じ真実味をもって取り組み、いっさいの同情・遠慮抜きの真剣勝負が求められるそうで、そのお話しの中から会場の熱気、研修の充実ぶりが伝わってくるようでした。
サービス企画最終提案風景のもようは下記にて公開
- H25年度東京会場 http://www.ustream.tv/recorded/39277618 など
- H24年度名古屋会場 http://www.ustream.tv/recorded/24434385
そのグループワークにおいて小村さんが務められたのがファシリテーター。
今年度からは、過年度の研修参加者から起用する、という試みが新たに導入されたそうです(以前は講師陣が兼務)。
その理由は、
- 講師の「先生」ではなく、受講者により近い立場の人間の方が適していること
- ファシリテーターを務める人たち自身の成長もはかれること
事前に開かれたファシリテーター講座では、その役割として次がポイントに挙げられたそうです。
- ファシリテーターはビジョンを示し、議論の方向づけを行う
- ただし、プレーヤーを指導したり、答えを提示するのではなく、
彼/彼女らの意見や考えを引き出す「ゆるいリーダーシップ」をとる
- 研修では、受講者に「自力での達成感」を得て帰ってもらえように
そして実際に経験してみて、
- 特に苦労したこと: 討議に立ち入りすぎることなく、一定の距離を保ちつつ、一方で議論がスムーズに進むよう舵取りすることの難しさ
- 心がけていたこと:
方向性を促す。タイムキープ。討議の方向性がぼやけたときにヒントや見通しを示すこと。
- そして、総じて「反省するところはあるけれどやって良かった」
とのしめくくりでした。
同じ会場でのファシリテーターは計6名。
他の方々の振り返りが、各人のブログに掲載されているとのことです。
http://cheb.hatenablog.com/entry/2013/08/03/223011
http://klarer-himmel13.hatenablog.com/entry/2013/07/28/005504
小村さん、ご報告をありがとうございました。
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○小村さんの報告を聴いて
「ファシリテーター」を実際に務める、というのは誰もが数多く経験するものではないかもしれません。でも、よくよく考えると、日常の中で、後輩を指導したり、あるいは周りや部下に仕事をまかせたりする場面では、誰もが自ずとファシリテーター役を担っている、なんてことがあるかもしれません。
そういった意味で、小村さんのお話は参考になるとともに共感できるところがありました。例会参加者からも、「学生スタッフに企画をまかせる時、ある程度は見守りつつも、あまりに暴走しはじめたらちょっと意見したり...。うまく舵取りするのは難しい」といった体験談が出ました。
実際にメンバーに入ってリーダーシップをとることとは、勝手が違うようです。
畑は異なりますが、スポーツの試合、特にラグビーやサッカーでは、すぐれた審判はゲームが良いものになるようコントロールできる、とよく言われることを思い出し、なんだかファシリテーターと共通点がありそうだな、と感じました。
上手なファシリテーションは、メンバーの力をうまく引き出して企画を成功させる大切な鍵となるようです。
(文責:吉田)