6月例会報告

6月14日に平成25年8月「学修環境充実のための学術情報基盤の整備について(審議まとめ)」と平成25年11月「大学図書館における先進的な取り組みの実践例」を読みました。
「審議まとめ」は、今後の図書館整備の方向として「コンテンツ」「学習空間」「人的支援」の充実を指摘するものであり、平成24年8月に中央教育審議会からだされた答申「未来を創出する大学教育の構築に向けて〜生涯学び続け、主体的に考える力を育成する大学へ〜」を受けたものと思われます。
「実践例」は、各大学の様々な取り組みを紹介するものですが、ラーニング・コモンズに関する事例紹介が多いという印象を受けました。

例会中のディスカッションでは,この「審議まとめ」に様々な方向性が示唆されており,どの部分を導入するかは各機関の状況によってかなり異なるだろうという点が指摘され,コンテンツについては,紙媒体と電子の使い分けや,資料内容の特性とそれによる提供方法の検討などには触れられていない,空間については,ラーニングコモンズと他の空間(目的に特化した教室など)との差別化などが必要となる,人的支援はかなり高度なことを求められている印象がある,などの意見がでました。
その他にも,コンテンツのオンライン公開における著作権の問題,授業にICTツールを取り入れることがデフォルトになりつつある現状とその影響(ログ問題など),これらの潮流を取り入れた際の効果の測定(評価)方法など,議論は多岐に及びました。
また,対象とされているのは初年次教育と推定されますが,全学の初年次教育担当部局の先生と,各学部・研究科当の先生との初年次教育に対する温度差があるように見えるという点から,先生方も現在は方法模索中の部分があるのではないかという話も出ました。図書館がそういうところで何らかの支援体制を持てるのかもしれません。